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COSMOSの原発関連ニュースメモ

ycsm521.exblog.jp

毎日たくさん流れてくる原発関係のニュースの個人的なメモです。

NHKETV番組「低線量被ばく、人体への影響を探る」の問題点



(M氏からのメールより)

みなさまへ   (BCCにて)
京都の諸留さんが、NHKETV番組「低線量被ばく、人体への影響を探る」の大事な問題点を指摘しています。

相変わらずNHKは、公平さを装って、国民ではなく原発推進の「資本=国家」に擦り寄るのが基本戦略のようです。

=====以下転送=====

**転送転載 自由**
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本日[11月11日金]AM00:00~AM00:30の時間帯に
NHKETVから「サイエンスZERO低線量被ばく 人体への影響を探る」
の番組(放映時間30分)
が放映されました。

 毎度のことながら、このNHKETV番組の報道内容には、

明らかな間違いがあります。
また、間違いとまでは言えなくても、
様々な仮説の中から、
原発推進側に有利な一方的な仮説だけを取り上げるなど・・・

世論誘導の政治的意図の番組と思われます。
当番組の幾つかの問題点を、
以下に、簡単に指摘しておきます。

-----以下、問題点--------

(1)
「低線量被曝の健康被害の医学的根拠には、
ヒロシマ・ナガサキの被曝調査が推定の根拠(基本)になる」

との編集方針になっている点は問題。
 ヒロシマ・ナガサキの被曝調査には、
不正確な点、疑問点、科学的に不十分な点があることは、
既に多くの調査報告、諸研究があるにもかかわらず、
その点には全く触れておらず、
原爆調査の調査主体や資料元も
一切言及されていないのは根本的な問題点。

(2)
放射線被曝による「がん」発生の確率的危険性を、
喫煙や飲酒、肥満など、被曝以外の、
「がん」発生の確率的危険性と比較させ、
前者が後者より遙かに少ない危険率であるから問題無し・・とする、
今までも盛んに宣伝された「リスク問題のすり替え」を、
いまだに垂れ流している点も問題。

(3)
旧ソ連のチェルノブイリ原発事故での健康被害調査報告は、
信用するに足らないものとして、完全に無視し、
科学的根拠の無いもの
参考にはしない・・との
意図的編集方針になっているなど
国内外のチェルノブイリ事故の人体研究調査を
一切無視している点も大きな問題。

(4)
放射線による人体への影響を、
「がん」発生、遺伝子のDNAへの影響
(染色体の二重鎖切断や再結合異常現象など)にだけ限定し、

例えば「ペトカウ効果」などに代表されるような、
「がん」以外の健康への悪影響(免疫低力下など)には
全く言及していない点も、
意図的報道が露骨に伺える問題点。

(5)子どもへの影響には言及しても、
妊婦(胎児)への影響が、全く言及されていない点も問題。
(青森県六ヶ所村にある環境科学技術研究所の、
生後2~2日後のラットでの実験結果の報告はあるが、
出生直後の動物実験結果でしかない)

(6)
国際放射線防護委員会(ICRP)の委員でもある
大分県立看護科学大学の甲斐倫明教授を
専門家と称して解説させたり、
青森県六ヶ所村にある環境科学技術研究所での
放射線影響調査結果も引用するなど、
原発推進側の研究報告や解説者中心で構成するなど
原発推進側の人選になっている。

(7)
低線量被曝問題を始め、放射線被曝を論じる際に
常に欠落している重大な視点の一つに
いかなる種類の放射線計測機材を用いているか
また、それら測定機材の計測能力限界
(放射線の種類や核種をどこまで確認できるか否かなど)
が、全く触れられておらず
単に10ミリシーベルト(mSv)とか、20ミリシーベルト(mSv)などの
数値だけが「一人歩き」させたままでの
放射線被害論に終止しているのは
極めて大きな欠落点であり問題である。

(8)
放射線被曝量で言えば100ミリシーベルト(mSv)以下の
致死的ながんの増加確率で言えば1.0%以下(あるいは0.5%以下)の
領域での「不確定領域」(未確定領域?)での
人体への影響云々・・・の問題(論争点)でも
この境界値以下~原点までの領域を
「直線的、比例的に、原点に至るまでの全ての被曝線量まで
危険(リスク)がある可能性がある」とする説を
一方的に強調する(大分県立看護科学大学甲斐倫明教授の解説)など、
明らかに、国際放射線防護委員会(ICRP)の見方が
あたかも科学的、国際的に正しい見方であるかのような
ICRPにすり寄った番組編集構成となっている点も
極めて大きな問題点。

この境界値以下~原点までの領域での
影響はほとんど無しとする説や
逆にこの領域では影響が増大するとする説を
手書きの赤線で、追加の形で補足説明するなど
素人が見れば、ICRPの見方以外の説(見方)は
いかにも、科学的根拠の弱いもの
(少数説でしかない)・・・といった、誤った印象を
持ちかねない説明になっている点が問題。

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 以上、とりあえず、問題点を列挙しました。
既に当番組をご覧になった方で、
これら以外でも、問題点に気付かれた方で、
低線量被曝に関心のある方は、
私(諸留)までご連絡下さい。
 この番組も、後日、「文字起し」して問題点も添付して、
お伝えする予定です。

 以上、ご参考まで

**転送転載歓迎**

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真の文明は
山を荒らさず
海を荒らさず
村を荒らさず
人を殺さざるべし (田中正造)


by y_csm521 | 2011-11-12 22:59 | 資料・情報・講演

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