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COSMOSの原発関連ニュースメモ

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毎日たくさん流れてくる原発関係のニュースの個人的なメモです。

「そして’安全神話’は生まれた」文字起こし(5)




【テロップ】:高松高等裁判所 公判 1983年3月4日

【画面】:第22回口頭弁論調書
昭和58年(1983年)3月4日午前10時
高松高等裁判所
宮本 勝美
山脇 正道
磯尾  正
小松 一郎

【解説】:原告側は一審の証人であった、内田秀雄原子力安全委員の証人尋問を求めます。

【画面】:
被控訴指定代理人
  昭和五八年三月4日付書証認否書に基づき各書の成立を、写しについては原本の存在も認めた。
控訴代理人
  2号証の認否は次回にする。
控訴本人 廣野房一の弁論
  別紙のとおり陳述。
控訴代理人
  準備書面(六)(昭和五八年三月○日受付)陳述。
控訴人、補佐人久米三四郎の弁論
  別紙の通り陳述。

【解説】:これに対し、国側は、審理は尽くされていると、早期の結審を求めます。その結果、裁判長は弁論集結を宣言しました。

【画面】:・・・る意見書」と題する書面陳述。
四 本件については右二で述べたとおり審理はすでに尽くされているから早急に結審願いたい。
証拠関係別紙のとおり
裁判長
弁論終結
 右弁論結論の告知直後、「判決言渡し。期日は追って」との告知と同時に控訴代理人藤田良一、同仲田隆明、同熊野勝人ほか数名の控訴代理人から「異議の申し立てをする、裁判官を忌避する」との発言があった。

【解説】:翌年、1984年(昭和54年12月14日)、控訴は棄却。原告住民は上告しました。

【テロップ】:伊方原発訴訟 控訴棄却 1984年12月14日

【解説】1970年代になると、原発政策の担い手たちの間では、原発の稼働率の低さが問題にされるようになっていました。

【テロップ】:島村原子力政策研究会 1991年  通産省 谷口富裕

[通産省 谷口富裕:「電力の技術屋さんというのは会社によって非常に差がありますけれど、まぁ、一般的には技術のユーザーだということですね。私なんか、その・・嫌みで、電力の技術屋さんは、電話をかける技術屋さんが非常に多いんじゃなかと、言っているんですけどね。まさにその自ら技術の改良とか、基本的対応というのを、積極的に取り組むようなトレーニングを受けていない。あるいは能力を開発していない、というのは明らかにあって、基本のところは自分でデザインしたり、開発したりをしたわけじゃないですから、運転とかメンテナンスや、きめ細かいところの改良は、得意なんですけどね。根っこまで入っていくと、技術基盤が十分強いのかなと思いますけどね・・」

[元 通産省 島村武久]:「電力会社はね、何にもできないのかと。検査も、受け入れも。疑問があるんですよ。物を買ってね、悪かったから取り替えろは当たり前かもしれないけれど、自分で買ったものを動かしておいて、そしてそれが自分も気が付かない」

【解説】:この頃、各地の原発では故障やトラブルが続出していました。その度に、長期間運転を停止しなければなりません。原発のメリットは燃料費が安いため[◆註:33]、電力を安価に供給できる[◆註:34]ことでした。そのメリットが生かせません。

[◆註:33]「原発のメリットは燃料費が安い」とするこのNHKのコメントは、明らかに間違い。原発推進派の燃料費計算をそのまま「鵜呑み」「横流し」報道しているだけ。ウラン核燃料の国際価格は、ウラン鉱石採掘から使用済み核燃料の最終処分処理工程に至るまでの全工程でのコストを考慮していない計算法に基づく価格だけを報道している。

[◆註:34]原発は「電力を安価に供給できる」とのこのコメントも間違い。原発の電気は水力発電や火力発電など原発以外の発電単価より、はるかに高くつく。原発の発電コストを、どこまでコスト経計算に含ませるかを、詳しくチェックせず、現行の電力会社の原発発電の単価をそのまま受け売りし、「メリットである」と解説する報道は、私は問題と思う。

【画面】:原発の稼働率(設備利用率)[◆註:35]

[◆註:35]この画面も問題と思われる。原発の稼働率(設備利用率)のグラフを示すなら、全国の火力発電や水力発電の原発の稼働率(設備利用率)も、なぜ、同時に比較して映さないのだろうか?
小出裕章氏の以下のURL
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/msm081026.pdf
の9頁の図5 日本の発電設備の量と実績(2005 年度)の縦棒グラフ図参照
原発の稼働率(設備利用率)だけを画面いっぱいに放映するNHKの報道(編集)姿勢は、「原発推進の国策の後押し報道」と思われても仕方がないのでは・・・?

【解説】:原発の稼働率をグラフにしたものです。原子力発電が本格化した1970
年以降、稼働率は低下を続けていました。

【画面】:1970年の原発稼働率:74%が、年々低下し、1975年では42%にまで低下している折れ線グラフの映像(縦軸に稼働率。横軸が年度。出典:原子力施設運転管理年報)

【解説】:当時、東京電力の原子力保安部長だった豊田正敏さん。財界から稼働率を上げるよう要請があったといいます。

【テロップ】:元東京電力副社長 豊田正敏さん

[当時 東京電力原子力保安部長(元東京電力副社長) 豊田正敏]:「トラブルが多くて止まった時はね・・・あれから(あの人から、という意味か?)・・・経団連の会長だった土光さん[◆註:36]から『おい、何とかしろ』と言われたのですよ」。

[◆註:36]エンジニア、実業家。東芝社長。第4代経済団体連合会(経団連)会長の土光敏夫(どこう・としお:1896年~1988年)のこと。我が国の国策としての原子力発電を牽引しリードしているのは政府(国家権力)だけでなく、その背後に巨大独占企業が君臨していることを物語るエピソード。

[当時 東京電力原子力保安部長(元東京電力副社長) 豊田正敏]:「そんなことを言ったって、任してくださいよ、ともかくね、って・・・。そんなに今日言われて、今日やって、すぐにね稼働率は上がるものじゃないのでね。数ヶ月とか一年はかかりますよ、と言ったんです」

【画面】:「通産省 わが国独自の軽水炉技術確立に本腰」「改良標準化委が発足」「近く耐震性なども検討へ」の見出しの1975(昭和50年6月26日)年付の新聞紙面記事

【解説】:1975(昭和50年6月26日)年、国は原発の改良に取り組む委員会、改良標準化調査委員会を、通産省の中に設置します。故障やトラブルの原因となる機械の欠陥を改良し、国内の原発の新たな企画を作ることで、稼働率を上げようとするものでした。

【解説】:これは原子炉にかけられた投資額をグラフ化したものです。改良標準化が始まってから原発に注がれる資金は急増しています。

【画面】:原子力関連メーカーの研究投資額(原子炉関係)
1972年の60億円から次第に増加上昇し1984年頃では350億円にまで急増している折れ線グラフが表示
(縦軸に投入資金額。横軸に1972年~1995年までの年代。出典:原子力産業実態調査報告)

【解説】:電力会社は稼働率の高い新しい型の原発を導入することに力を入れています。そんな中、アメリカから思わぬ知らせが入ります。アメリカ議会公聴会での証言です。

【テロップ】:元ゼネラル・エレクトリック(GE)社技術者 デール・ブライデンボウ

[元ゼネラル・エレクトリック(GE)社技術者 デール・ブライデンボウ]:「問題を検証し、正しい判断を下す基準が見当たらないと言っているのです」

【テロップ】:マークI型原子炉

【解説】:福島第一原発などで採用している原子炉マークI型には、重大な事故に繋がる問題点があることが指摘されたのです。

【テロップ】:元ゼネラル・エレクトリック社技術者 デール・ブライデンボウさん

[元ゼネラル・エレクトリック社技術者 デール・ブライデンボウ]:「いくつかの原発は、すぐに運転を停止すべきだと思いました。安全かどうかの調査が終わるまでは、電力会社に停止すべきだとの意見を伝えました。GEの上司にも伝えました」

【解説】:しかし、東電はマークI型の原子炉を停止することはできませんでした。

【テロップ】:元東京電力副社長 豊田正敏さん

[元東京電力副社長 豊田正敏]:「一番の目的はやっぱり新しいものを、材料も、それから設備も、標準化すればですね、予備も共通で持てるとかね。それから、安全審査なんかも、一回で済ませ(られ)るわけですよね。あと右へならえで。安全審査期間も短縮できるわけですよ。まぁ、そういうメリットはありますよ。だけど、既設のものについては、やることはやりますけれども、100%やりません、ということはあります」[◆註:37]

[◆註:37]ここの豊田正敏氏の発言も解りづらい。豊田正敏が発言する前に、NHK記者が、豊田氏に発した質問内容が解らないので、如何なる質問に対して、豊田氏が答えているのかが不明なので、回答の意味も不明な点が多い。
 おそらく「電力会社が稼働率の高い新しい型の原発を導入することの利点は?」とNHK記者が質問したのであろう。もしそうだとすれば豊田氏のここでの回答の前半部は、つじつまが合う。しかし、もしそうだとすると、回答の後半部が問題発言になる!

 後半部で豊田氏はキッパリと、「既設のものについては、やることはやりますけれども、100%やりません、ということはあります」と断言している。「100%やりません、ということはありません」ではなく、「100%やりません、ということはあります」と言っている!ということは、既設の耐用年数の古くなった原発に関しては、「安全審査や点検、整備、修理を100%(=全く)しない事はあった」という発言であろうか?この箇所が豊田氏の言い間違い、勘違い発言ではなく、正しい発言だとすれば重大な発言。

[元東京電力副社長 豊田正敏]:「それを福島第一(原発)・福島第二(原発)とか、4号機までのものにやれといっても、それはできませんということでね。[◆註:38]」

[◆註:38]豊田正敏氏が言う「それを・・やれと言っても」の「それ」とは一体何のことなのか?耐用年数が大幅に経過した古い型の原子炉を、改良標準化型の新型の原子炉に置き換えることなのか?それとも、 デール・ブライデンボウ氏が望んでいたマークI型の原子炉を停止させることなのか?あるいは、上述のような、安全審査や点検、整備、修理、定検作業のことなのか?意味不明。豊田氏の発言の真意がどうあれ、福島第一原発を始めとする、老朽化した原子炉は、何ら改良されることなく放置され続けたことは、豊田氏の以上の発言から明らか。

【解説】:1984年、改良標準化で急増を続けていた原子炉への投資は、下降に転じます。代わって増加したのが、核燃料サイクルへの資金投入でした。

【画面】:原子力関連メーカーの研究投資額(原子炉関係)
1972年(60億円)~1984年(350億円)まで急増したグラフ線が、1984年の350億円をピークに1997年の130億円までに降下。
同時にこの折れ線グラフに重ねて、核燃料関係の研究投資額(赤の折れ線グラフで表示)が、1972年の25億円)から、1997年の275億円へと急増。
(縦軸に投入資金額。横軸に1972年~1995年までの年代。出典:原子力産業実態調査報告)

【テロップ】:島村原子力政策研究会 1991年夏

【解説】:島村研究会は、その予算配分の変化について触れています。その時、国の原子力政策に大きな方針転換があったといいます。

【テロップ】:元四国電力幹部

[元四国電力幹部]:「電力会社も、相当長年にわたって、ずいぶん(改良を)続けてきたんですよ。で、一渡りもう、軽水炉の方はいいなと言い出したのは、今から何年くらい前でしょうかね・・7から8年前でしょうか?それくらいになると(研究投資額が)減ってきましてね」[◆註:39]

[◆註:39]この元四国電力幹部の発言は1991年夏であるから、それから7から8年前は、1984年か、1983年ということになり、上述にも解説のあった「1984年、改良標準化で急増を続けていた原子炉への投資は、1984年以降、下降に転じます。代わって増加したのが、核燃料サイクルへの資金投入でした」の1984年ともピッタリ一致する!

[元四国電力幹部]:「それで、次は再処理の問題だというので、再処理の方へお金がずっと流れ始めたような記憶があるんですけれどねぇ・・。いっぺんそこをトレースしてみると、二度目の軽水炉への援助は、ある一定のとこまで行って、また落ちているんですよ。その電力の援助もね」

【画面】:「谷口氏 008」のラベルのカセット・テープ

【テロップ】:通産省 谷口富裕

[通産省 谷口富裕]:「今のそのプルトニウムの技術を中心にしたですね、核燃料サイクルの確率っていうあたりも、それについての国際的なアクセプタンスをどう得ていくかという、こんな経済的に引き合わなくて、政治的には、最近(国際社会の各国の)みんなが日本に警戒心を高めている中で[◆註:40]、うまくいくわけがないんじゃないか、という心配をですね、非常にしているというのが、率直なところです」

[◆註:40]核分裂を起こさないウラン238は、炉心内では中性子を吸収し、プルトニウム239の超ウラン元素に変換する。このプルトニウム239はウラン235同様、核分裂をするので、これを核燃料として利用するのが増殖炉である。通常のウラン235に純度7%~13%のプルトニウム239を混合したのが、いわゆるMOX燃料。

 しかし、核兵器の核弾頭用としては90%以上の高純度プルトニウムが必要。1994年5月に「日本の動力炉・核燃料開発公団(動燃)東海工場で5年半で約70キロのプルトニウム大量残留があったことを IAEA に注意された。更に、日本の「もんじゅ」にも、停
止するまでの1年半の間に濃縮度96%以上のプルトニウム239がおよそ60kg程、ブランケット部に貯まっていると言われる。現在の核爆弾技術では小型核弾頭一発に、96%以上の高純度のプルトニウム7キログラム~9キログラムがあれば製造可能。我が国は核弾頭に装備できる96%以上の高純度プルトニウムを7~8発分を保有している。これが米国でさえ、我が国に警戒の目を光らせる理由である。

 我が国政府は、プルトニウム240などの不純物を混ぜることで軍事転用への懸念を回避したかどうかさえ、未だに国内外に明らかにしてきていない。ちなみに、プルトニウムは核兵器の原料となる危険があり、米国のカーター政権が高速増殖炉から撤退することを決めたのも、日本が典型的であるように、プルトニウムの拡散防止が理由の一つであった。

(6)につづく

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by y_csm521 | 2011-11-28 13:14 | 資料・情報・講演