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COSMOSの原発関連ニュースメモ

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毎日たくさん流れてくる原発関係のニュースの個人的なメモです。

<   2012年 08月 ( 11 )   > この月の画像一覧


≪Shut泊の泉さんからの情報です。 byCOSMOS≫

泉です。

二ユーヨーク在の元国連職員、松村昭雄さん対するカルディコット博士からの返答「放射能汚染下における日本への14の提言ー原子力の犠牲になっている私たちの子どもたち」を転送します。松村さんからのメッセージの下に、博士の提言を貼付けます。

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親愛なる友人諸氏、

1985年にノーベル平和賞を受けた「社会的責任を果たす医師団」(Physicians and Social Responsibility)の創立者であり世界的に有名な医師であるオーストラリアのヘレンカルディコット博士から頂いた私の記事への応答をご紹介いたします。

博士は科学の誤用が、殊に原子力科学は、生態圏の多くと人類の健康を阻害してきており、また今後も続くであろう事を指摘しています。 

和文翻訳はオレゴンのFRCSR (Fukushima Radioactive Contamination Symptoms Research)平沼百合博士と校正は安友志乃さんです。

偏狭な政策論争と科学的仔細の議論のために我々が行動を止める事はできません。放射能の危険はほとんどの場合目には見えないのです。その結果が目に見えるようになってから対応したのでは遅すぎるのです。政治家と原子力科学者は彼らの判断の間違いから学ぶことができます。しかし子供の命を代償にして学ぶことはできません。

我々が過去に後戻りして福島の事故を防ぐ事はできません。しかし全ての生命への被害を最小限にする為、我々は最大の努力をしなければなりません。

松村昭雄
www.akiomatsumura.com


__________

放射能汚染下における日本への14の提言 原子力の犠牲になっている私達の子供達 ヘレン・カルディコット医学博士

翻訳 平沼百合 FRCSR 翻訳校正 安友志乃 FRCSR

1979年にキューバを訪問した際、私は、道路脇にある「私達の子供達は国の宝です。」と宣言 をしている看板の数の多さに驚きました。

小児科医の私にとって、それは共鳴に値することであり、そしてもちろん、真実でもありま す。しかし、松村昭雄氏が記事で書かれたように、子供達は、今まさに現在進行形で、国際連 合の政治的・原子力的協議事項と、そのほぼ全体を男性が占める政治家達の政治的生存競争、 および「国家安全保障」の犠牲となっているのです。

この世界における現代のもっともな問題は、科学者達が一般の人々の科学に対する理解を促そ うとせず、人々を置き去りにしている、という点にあります。つまり、一般の人々の科学に対 する理解と認識は、科学の誤用、 おいても原子力科学の誤用が、生態圏と人々の健康を既に破 壊し、今後も半永久に破壊し続けるであろう、と言う所に到達していません。

同時に、ほぼ全ての政治家、財界人、エンジニア、そして核物理学者においてすら、放射線生 物学や先天性奇形、何代にもおよぶ遺伝性疾患について、あるいは、放射能に対する感受性 は、子供達は大人の20倍であり、女の子は男の子の2倍、胎児の感受性は子供達より更にもっ と高いということなど、全く理解していないというのが真実です。

従って、日本の政治家達の福島原発事故に対する反応は、根本的に無知だけでなく、ばかげた ほど無責任であると同時に、それは、東京電力、そして日本の政治的議題の大部分を編成する 傾向にある原子力産業との政治的な繋がりのせいでもあると言えます。

日本で責任ある地位につく人達は、こういった恐ろしい医学的予測を無視するか隠蔽するのに 忙しく、その無知が故に、住民は高濃度放射能汚染区域に戻って住むか、または住み続ける事 ができる、としています。東京ですら、家の埃、植物や土壌に、福島由来の危険な放射性核種 が見つかっている場所があるにもかかわらず、です。

チェ ルノブイリでの甲状腺癌は、事故後3-4年たたない内に出現し始めました。(今までに9 万2千人が甲状腺癌の診断を受けています。)しかし、事故後わずか12ヶ月で、福島県内の3万 8千人の18歳以下の子供の内36%に甲状腺エコー検査により甲状腺のう胞か結節が見つかって






います。(これらの病変のほとんどは、悪性腫瘍を除外するために、生体組織検査を行うべき です。)潜伏期間がこれほど短いと言うことは、この子供達が吸入と飲食によって取り込んだ 放射性ヨウ素による甲状腺被曝量が尋常ではない高さであるということは、疑いの余地があり ません。

そして、これらの結果は、さらなる多種多様の癌の発症を予測させるに十分な、非常に悪い前 触れです。何故なら、放射性ヨウ素以外に、何百種類もの放射性核種が放出され、それが今現 在、食べ物、魚や人体で濃縮され、呼吸によって肺に取り込まれているからです。放射性核種 の中には、数分だけしか放射能を放出しないものもありますが、多くの核種は、何百年も何千 年も放射能を出し続けるために、日本の食べ物は今後、何世代にも渡って放射能汚染から免れ ることはできません。原子力事故に終わりはないのです。ヨーロッパ大陸の40%は今でも放射 能で汚染されており、そしてこれから何千年もの間、放射能汚染が続くことになります。

だとすれば、日本はどのように対処すべきなのか。ここに提言します。

1. 日本国内全土、土壌と水の放射能検査を行い、現在の汚染状況を把握すべきです。これは、 風によって、放射能汚染が福島の点源から何百マイル(注:1マイル=1.6km)もの遠方まで 飛ばされるからです。

2.いかなる状況においても、放射能を帯びたゴミや瓦礫を焼却してはいけません。焼却する と、放射性核種が遠く広域に広まり、食べ物と魚で再濃縮するだけです。

3.すべての食べ物は、スペクトロメーターを用いて、特定の放射性核種の検査を十分に行うべ きです。

4.放射能汚染された食べ物の売買や飲食をすべきではありません。また放射能汚染された食 べ物を汚染されていない食べ物と混ぜて売買するべきではありません。放射性核種は、体内の 様々な臓器内で再濃縮されるのです。

5.飲料水はすべて、毎週放射能検査を行うべきです。

6.日本の太平洋側で獲れた魚はすべて、これから長期に渡り、放射能検査をしなければいけ ません。

7.まだ高線量放射能汚染区域にまだ居住しているすべての人々、特に子供、妊婦や妊娠が可能 な女性は、直ちに日本国内の放射能汚染がない場所へ避難してもらうべきです。


8.福島事故による放射能被曝を受けたすべての人達、特に新生児、子供、免疫力が低下してい る人、年配者などは、癌、骨髄抑制、糖尿病、甲状腺異常、心臓病、早期老化や白内障の医学 的検査を徹底的に、そして生涯に渡って定期的に受け、必要であれば治療を受けなければいけ ません。白血病は、これから2-3年で出現し始め、5年でピークを迎えるでしょう。固形癌は 事故後10年から15年で出現し始め、今後、70年から90年に渡る世代間で頻発する可能性があ ります。

9.日本のすべての医師や医療従事者は、ニューヨーク科学アカデミーから出版された、「チェ ルノブイリ大惨事、人と環境に与える影響」を読んで勉強し、自分達が直面している状況の真 の医学的重大さを理解するべきです。

10.また、特に医師達、政治家や一般の人にも、私のサイトであるNuclear Free Planet

nuclearfreeplanet.org において更なる情報を得ていただき、私のラジオ番組、If You Love This Planetで、福島やチェルノブイリに関連するインタビューを聴いていただき、私の著書、 Nuclear Power Is Not The Answerを読んでいただくことを、謹んで提言させていただきま す。

11.国際医学コミュニティー、特にWHO(世界保健機構)は、直ちに結集し、上記で概要を 述べたとてつもなく大きな任務を、日本の医療従事者や政治家が実行するのを助けるべきで す。

12.日本政府は、国政的なアドバイスと援助を受け入れなければいけません。

13.非常に緊急を要する事項として、日本政府は、マグニチュード7以上の地震が起こった場 合に福島第一原発4号機と使用済み燃料プールが崩壊しないよう、IAEA(国際原子力機関)と 米国のNRC(原子力規制委員会)、そしてカナダやヨーロッパなどの原子力専門家の国際的ア ドバイスと援助を求め、受け入れなければいけません。

仮に、使用済み燃料プールが崩壊して地面に落ちた場合、その熱によりチェルノブイリの10倍 の放射性物質が放出されるでしょう。無駄にしている時間はありません。現時点において、世 界のコミュニティーは大惨事が起こるのを、無抵抗に待っているのです。

14.国際メディアと日本のメディアは、上記に述べたような日本からの事実を直ちに報告し始 めなければいけません。そうしないことには、世界的な大惨事を招くことになります。




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by y_csm521 | 2012-08-27 12:05 | 汚染地域


「一票一揆!女が変える!政治もくらしも原発も!」女たちの集会のお知らせ


今回は女性のみの参加です。
チラシはこちらから

日時 8月29日(水)
場所 衆議院・第一議員会館 多目的ホール
  14時 経産省前テントひろば 集会とかんしょおどり
  15時 衆議院第一議員会館 多目的ホール(18時迄)
内容
○発言 
 ・武藤類子(原発いらない福島の女)
          「女たちの月例集会に期待すること」
  ・泉かおり(原発いらない北海道の女)
          「なぜいま、女たちの一票一揆か 問題提起」
 ・谷田部裕子(原発いらない茨城の女)
          「一票一揆・地方議会への取り組み 東海第二」
 ・東井怜(原発いらない“心は福島”の女)
          「女たちはこうして変えてきた」
 ・佐藤幸子(原発いらない福島の女)
          「福島からみえる国会 国会をかえなければ!」
 ○質疑
 ○国会議員(女性)からの発言 (確認待ちを含む)
  福島みずほさん(参・社民) 谷岡郁子さん(参・みどりの風) 三宅雪子さん (衆・生活が第)   紙智子さん(参・共産) 大河原雅子さん(参・民主) 他 
 ○これからの方針
  ※資料:国会議員への「原発」アンケート

主催:原発いらない福島の女たち・原発いらない全国の女たち
連絡先:泉(E-mail:kaoriizumi08@gmail.com tel:090-2695-1937)

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by y_csm521 | 2012-08-22 00:50 | 脱原発運動・集会・支援

アイナメから2.5万ベクレル=セシウム濃度、過去最高値―福島第1から20キロ沖

時事通信 8月21日(火)19時18分配信

東京電力は21日、福島第1原発から北に約20キロ離れた福島県南相馬市原町区の沖合でサンプル採取したアイナメから、1キロ当たり2万5800ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。原発事故後、福島近海で捕れた魚介類では最も高い濃度で、一般食品のセシウム基準値(同100ベクレル)の258倍。1キロ食べた場合の内部被ばく線量は約0.4ミリシーベルトと推定されるという。
 福島県沖では6月からタコとツブ貝に限って試験操業が始まり、地元を中心に流通している。アイナメは出荷制限されており、漁もしておらず、市場に出回っていない。
 東電は「ホットスポットのようなものがあって、そこの餌を食べた可能性もある」としている。 


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by y_csm521 | 2012-08-21 23:45 | 食品汚染


東電、六ケ所村に2.7億円 経産省「寄付に近い」

朝日新聞

 東京電力が福島第一原発事故後、青森県六ケ所村に約2億7千万​円を支払い、隣接する同県東通(ひがしどおり)村の東通原発の建​設費として処理していたことがわかった。経済産業省は、東電の電​気料金値上げ申請を受けた審査で、この支出を寄付金に近いと判断​。今年度分以降について、電気料金算定の基礎となる経費「原価」​に組み込むことを認めなかった。

 東電は、福島事故賠償に向けたコスト削減策として寄付金の原則​廃止を表明したが、原発建設費という別の名目で事実上、寄付を続​けていた疑いが強まった。

 朝日新聞が入手した資料によると、東電は2011年5月末と1​2年5月末、1億3340万円ずつを六ケ所村に支払った。東電は​支出について、六ケ所村の漁業振興対策事業の助成が目的で、原発​建設に関連すると説明している。一方、原発建設に伴う漁獲量の減​少などに応じた補償については、すでに東電が各漁協に支払ってい​る。



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by y_csm521 | 2012-08-19 16:43 | 政府・電力会社・抗議・裁判


韓国・釜山の原発:隣接する村が電力会社に集団移転要望
毎日新聞 2012年08月19日 13時59分

 韓国釜山市の古里(コリ)原発近くに住むのは危険だとして、隣​接する村が集団移転を電力会社などに求めている。韓国で最も古い​原発。全電源を喪失する事故から約5カ月間停止していたが今月再​稼働したため、福島の原発事故に重ねて周辺住民の不安は膨らむば​かりだ。先進地・日本から学んで原発を導入してきた韓国でも脱原​発の機運は高まっており、福島の事故を受けて日本が脱原発をどう​進めるのか注視している。


 長崎県・対馬から約75キロ、福岡県の約200キロ北にある古​里原発。敷地フェンスの真横には民家がぎっしりと建ち並んでいた​。「福島と同じ事故が起こればとてつもない被害がある。原発がこ​れほど隣接する集落は世界中どこにもない」。吉川(キルチョン)​里(村)の代表、金明福(キム・ミョンボク)さん(51)は訴え​る。村には 今年2月、定期検査中の1号機が作業員のミスと非常​用発電の故障により全電源がストップした。約12分後に復旧し、​放射能漏れはなかったが、電力会社は事故を隠し、発覚が1カ月以​上も遅れた。住民の原発不信が一気に膨らんだが、韓国政府は今月​、夏の電力需給の逼迫(ひっぱく)を理由に再稼働を認めた。

 フグ漁が盛んなのどかな漁村に原発建設の話が舞い込んだのは7​0年代。「温排水で魚がたくさん捕れると聞かされた」と金さん。​電力会社は村の有力者を日本の原発に視察旅行に連れて行き、現金​を握らせていたという。

 原発から約1キロに住む李容岩(イ・ヨンアム)さん(65)に​よると、視察から戻っても有力者たちは何も語らず、原発は次々と​建設された。だが疑問を持った住民が視察し、写真を見せて「日本​の原発の隣に民家はない」と明かしたことで危機感が広がった。

 今、漁をするのは16人だけ。福島の事故も影響し、村は昨年7​月、村ごと別の土地に移転させるよう電力会社と上部行政組織の郡​への要望に踏み切った。925世帯2700人が暮らす。
 福島の事故が衝撃を与えたのは吉川里に限らない。今年2月には​45の自治体が脱原発を宣言。古里原発の運転差し止めを求めて昨​年4月に始まった裁判の原告の一人、脱原発団体の千玄真(チョン​・ヒョンジン)さん(32)は「政府が電力逼迫を言うのは市民の​反発を萎縮させるためだ。市民は福島の事故で原発に敏感になって​おり廃炉を望む声は今でも多い」と語る。

 日韓で脱原発を目指す市民交流も始まっている。九州電力玄海原​発(佐賀県玄海町)の運転差し止め訴訟には韓国から原告3人が参​加。5月に釜山市で玄海訴訟の説明会が開かれた際には「日本の脱​原発の動きを参考にしたい」との声が寄せられた。原告で牧師の李​大洙(イ・デス)さん(56)は「脱原発に向かう日本が数年後に​世界のモデルになっていることを期待したい」と日本の行方を注視​している。【関谷俊介、金秀蓮】

◇韓国の原発
 全23基中17基が日本海沿いにある。24年までに約10基増​設し、総発電量の割合を現在の約3割から約5割まで引き上げる方​針で、30年までに80基を海外輸出する計画も示している。78​年に1号機(58.7万キロワット)が運転を始めた古里原発は全​4基あり、加えて蔚山(ウルサン)市にまたがる新古里原発2基が​運転を開始しており、さらに2基が建設中。

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by y_csm521 | 2012-08-19 16:41 | 世界の状況

原発事故処理に立ち上がる高齢技術者集団 米でも関心

 東京電力の福島第一原発の事故処理作業を、高齢者に担わせてほ​しい。そう立ち上がったものの日本で受け入れられないでいる技術​者集団が、日本政府への働きかけを求めて米国を行脚している。米​メディアも取り上げ、手を挙げる米国人も出ている。

 福島原発行動隊理事長の山田恭暉さん(73)とメンバーの岡本​達思さん(61)が7月下旬から米西海岸やシカゴ、ワシントンを​回り、議員やNPOなどとの対話や講演を重ねている。参加希望の​ほか、寄付も集まっている。

 山田さんは住友金属工業で廃棄物処理やプラント建設などにかか​わった技術者。「年齢的に放射能の影響が小さくて済む」と60歳​以上の技術者らで昨年4月に行動隊を結成、公益社団法人の認可も​受け、参加者は現在約700人。18日、ロサンゼルスで記者会見​した山田さんは「世界のどこで原発事故が起こってもおかしくなく​、作業を東電から切り離し、国際的な監視体制も作らないといけな​い。『国境なき行動隊』を作る準備も始める」と話した。(ロサン​ゼルス=藤えりか)


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by y_csm521 | 2012-08-19 00:06 | 汚染地域

原発事故後も延べ24人に寄付 電気事業連合会の関係企業

 全国市民オンブズマン連絡会議は18日、全国14道県の原子力​関係の審議会で学識経験者として委員になっている延べ265人の​うち、東京電力福島第1原発事故後の2011年度に延べ24人が​、電気事業連合会の関係企業から研究費などの寄付を受けていたと​の中間調査報告を発表した。
 14道県は原発が立地する13道県と立地計画のある山口県。1​0年度にも延べ21人が寄付を受けていた。茨城県の原子力安全対​策委員だった東京大学大学院の関村直人教授は、10年度に三菱重​工業などから約4200万円を受け取っていた。
 同会議は情報公開請求の手法で調査。11月には最終報告を行う​予定。

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by y_csm521 | 2012-08-18 23:47 | 原子力政策

■政府に対する、放射能汚染食品の摂取による内部被曝の回避に向けた七つの提言(後半その2)

4.放射能汚染食品の規制値の歴史
(1)チェルノブイリ原発事故直後
 1986年4月のチェルノブイリ原発事故当時、一般人の年間の線量当量限度は5mSv/年(ICRP 1977年勧告に基づく)でした。厚生省は、旧ソ連圏や欧州からの放射能汚染食品の輸入を規制するため、一般人の線量当量限度5 mSv/年、汚染輸入食品の割合、国民の食品摂取量、食品による被曝割合等による推計値を求め、さらに米国やEC(欧州共同体)の規制値を参考にして、輸 入規制値を定めました。すなわち、全食品の放射性セシウム(セシウム134とセシウム137の合計)について、1kg(またはlittle) 当たり370 Bq以上で輸入禁止としました。
(2)ICRP 1990年勧告以後
1990年、ICRPが一般人の年間の線量当量限度を5 mSv/年から1/5の1 mSv/年(年間がん死リスクは10万人に1人)に下げる勧告を出しました。そこで1998年、政府はこのICRP勧告を受け、一般人の年間被曝許容限度 を1 mSv/年に下げました。しかし、ヨウ素やセシウムの輸入規制値を1/5に下げることはしませんでした。そして2011年3月17日の通達にみる野菜や穀 物のセシウムの暫定規制値は1kg当たり500 Bqでした。
(3)海外の事例
ちなみに、ウクライナでは、一般人の年間被曝許容限度は同じく1mSv/年ですが、放射性セシウムの暫定規制値は、1kgまたは 1little当た り飲料水2 Bq 、牛乳100 Bq 、野菜40 Bq、肉類200 Bqとなっています。また、ドイツの放射線防護令は、一般人の年間被曝許容限度を0.3 mSv/年としています。ドイツ放射線防護協会は、この限度を基準にして、放射性セシウム汚染食品の摂取制限として、乳児~青少年は1kg当たり4 Bq以上、成人は8 Bq以上の食品を摂取しないように推奨しています。この推奨値でも、人口8000万人のドイツでは毎年1200~12000人の癌死の増加が予測されてい ます。この予測値を人口1.278億人の日本に当てはめれば、癌死の増加はこの1.6倍です。
(4)ICRP(国際放射線防護委員会)の身勝手なご都合主義
 ICRPは、1928年のICR(国際放射線医学会議)総会で発足したIXRPC(国際X線およびラジウム防護委員会)を1950年に改 称して発 足し、現在に及んでいます。そこで、現在までの主要な勧告を見てみましょう。年代が進むごとに、米国を頂点とする国際的な「核開発利益共同 体」の身勝手な ご都合主意が台頭し、彼らの意のままに勧告が成案化される様が、赤裸々に見て取れます。ICRPは、その名称とはまったく裏腹に、核施設作業 従事者や一般 人の放射線防護を二の次にして、彼らの意のままに安上りの核開発を進めるための道具でしかありません。
 1950年勧告:ICRPと改称後、初の勧告であり、核施設従事者にのみ、150 mSv/年(3 mSv/週)の許容線量を設定しました。一般人向けの具体的な許容線量は示さず、「被曝を可能な最低レベルまで引き下げるあらゆる努力を払うべき」(to the lowest possible level)という文言だけに留まりました。言葉だけといえ厳しい表現になった背景には、遺伝学者によるショウジョウバエの突然変異実験において「遺伝的 障害」が明らかになったことがあります。しかし、具体的な許容線量を明記することは、米国の抵抗によって叶わなかったのです。
 1954年勧告:年間許容線量は、核施設作業従事者 150 mSv/年、一般人 前者の10分の1(15mSv/年)であり、「実行可能な最低レベル」(the lowest practicable level)という一段下がった表現になりました。
 1958年勧告:年間許容線量は、核施設作業従事者
50 mSv/年、一般人 5 mSv/年で、「実行可能な限り低く」(as
low as practicable)と、さらに一段下がった表現になりました。
 1965年勧告:「社会・経済的要因を考慮の上、容易に達成できる低さ」 (that all doses be kept as low as is readily achievable, economic and
social consequences being taken into account )と、いよいよICRPの本性を露わにしたもので、「ALARA勧告」と称されます。一般人の5 mSv/年を「線量当量限度」と称することにしました。
 1973年勧告:「合理的に達成できる低さ」(as low as reasonably achievable)と本性を幾分見えにくくしましたが実態は変わらず、これも「ALARA勧告」と称されます。
 1977年勧告:新システムとして、三原則「正当化」「最適化」「線量限度」(justification,
optimisation = as low as reasonably achievable, application of dose limits)を導入しました。「正当化」とは、原発などの核開発には代替不可能な便益があるということです。「最適化」とは、1965年のALARA勧 告の「社会・経済的要因を考慮の上、容易に達成できる低さ」のことです。「線量限度」とは、人びとの被曝限度を定める際に「集団線量」概念を 導入し、「費 用」対「人命救済効果」分析を行い、放射線障害による人びとのある程度の死を前提とする安上りの費用で核開発を進めようとするものです。この 勧告では、核 施設作業従事者の年間被曝限度についても、「線量等量限度」と称することにしました。
1990年勧告:核施設作業従事者の従来からの線量当量限度50 mSv/年に、「あるいは100 mSv/5年」という付帯事項が付きました。また、一般人の線量当量限度5 mSv/年が1 mSv/年に下げられました。ただし、基本的な線量計測量である人体の吸収線量に関する同勧告の定義は、「各組織・臓器内の平均線量を意味する」というこ とで平均化してしまうなど、同勧告には内部被曝を無視・隠蔽するためのさまざまな作為が感じられます。
本来、アルファ線やベータ線による内部被曝が微細なピンポイントで生じることを念頭に置けば、ICRP勧告の如き「内部被曝隠し」ではな く、 ECRR(欧州放射線リスク委員会)の2003年勧告や2010年勧告の如く、内部被曝を正当に評価する勧告になる筈です。結局、 IAEA(国際原子力機 関)もWHO(世界保健機構)も、米国と国際的な「原子力ムラ」のエゴに牛耳られ、その中心にICRPが鎮座していたのです。そして彼らは、 世界の放射線 科学全般を、政治・経済的観点を重視する内部被曝隠しの似非科学に仕上げ、世界中の市民に一方的な犠牲を強いる体系を構築していたのです。
ですから、このようなICRPの勧告に依拠する食品の放射能汚染の「基準値」が、私たち住民の味方である筈はありません。

 私たち市民と科学者の内部被曝問題研究会が政府に対して七つの提言をした理由と背景は、以上のとおりです。
以上
(以上、転載すべて終了)



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by y_csm521 | 2012-08-17 00:35 | 食品汚染

●出典:市民と科学者の内部被曝問題研究会

(前半につづく後半その1です)
======以下、(後半その1)転載=====

■政府に対する、放射能汚染食品の摂取による内部被曝の回避に向けた七つの提言
(市民と科学者の内部被曝問題研究会)

◆提言の理由と背景
1.呼吸による内部被曝と飲食による内部被曝
(1)呼吸による内部被曝
空中に浮遊する放射性物質を吸気と共に吸い込むことによって生じ、放射能雲(プルーム)からの降下物を直接的に吸い込む場合と、地面、家屋 などの諸 構造物あるいは植物の葉や落葉などに吸着した放射性物質が乾燥して空中に巻き上げられ、あるいは水面の波のしぶきによって空中に撒き散らさ れ、さらには 「除染」作業によって、再度浮遊した放射性物質を二次的に吸い込む場合とがあります。
2011年3月11日の東日本大震災以後、福島原発の数度にわたる爆発で空中に放出された放射性物質がプルーム(放射能雲)として風下に流 され、各 地で放射性降下物として落下し地表の空間線量の著しい増加をもたらすことが予測されていたにもかかわらず、人びとの健康と安全を蔑ろにした政 府と東電は、 この過酷事故の正しい情報を直ちには公表しませんでした。とくに政府が、文科省の緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム (SPEEDI)による予 測情報を米軍には3月14日に知らせながら、国内の人びとには3月23日まで知らせなかったため、福島県内の飯館村などはもとより茨城県、栃 木県、群馬県 などの少なからぬ地域の人びとが、大量の放射性ヨウ素(I)や放射性セシウム(Cs)などを吸い込んでしまいました。これは、国家的な未必の 故意により、 人びと、とくに放射線感受性の高い子どもたちや胎児を宿す妊婦さんたちなどが呼吸によって放射性物質を体内に取り込むことによる内部被曝の国 家的強要であ り、国家的犯罪以外の何物でもありません。
(2)飲食による内部被曝
飲食による内部被曝は、原発事故によって放出された放射性物質が、森林から河口までの流域一帯に広く降下することによって飲料水が放射能に 汚染され た場合にまず生じ得ます。また、放射性物質が流域一帯の田畑や牧草地などに降り注ぎ、栽培・飼育動植物が直接・間接に放射性物質を吸収または 沈着すること によって農畜産物が放射能に汚染された場合、さらには放射能に汚染された内水面の淡水魚などや海洋の水産物が生物濃縮によって高濃度の放射能 に汚染された 場合に生じえます。
 福島原発事故に起因する放射能汚染食品の飲食による内部被曝を回避するためには、万全の放射能汚染検査体制によって、汚染飲食物の出荷制 限(視点を変えれば、東電買取り)を確実にすすめ、人びとが飲食による内部被曝を回避できるようにすることが不可欠です。

2.放射能汚染食品の「暫定規制値」と「新規格基準」(新基準値)
 福島原発の過酷事故以降、4月上旬までの厚労省による暫定規制値に関連する一連の決定を振り返ると、如何にもいわゆる泥縄式に対応してき たことが伺えます。
まず、3月17日の「放射能汚染された食品の取り扱いについて」(食安発0317第3号。厚生労働省医薬食品局食品安全部長からの、都道府 県知事、 保健所設置市長、特別区長宛の、いわゆる「暫定規制値」通達)が出されました。これには、①放射性ヨウ素(混合核種の代表核種I-131)、 ②放射性セシ ウム(Cs-134、Cs-137)、③ウラン(U)、④プルトニウム(Pu)と超ウラン元素のアルファ核種の4種類について指標が示されて います。
その背景として、「飲食物摂取制限に関する指標について」(1988年3月6日、原子力安全委員会原子力発電所等周辺防災対策専門部会 環境ワーキンググループ)と「原子力施設等の防災について」(2003年7月、原子力安全委員会)の存在があります。
以下、3月21日「食品の出荷制限について」(原子力災害対策本部長=菅直人首相からの各知事宛の、いわゆる「出荷制限」通知。福島、茨 城、栃木、 群馬のホウレンソウとカキナなど)、4月4日「食品規制の二方針」(「食品についての規制について」(枝野幸男官房長官記者発表。原子力災害 対策本部長 が、①汚染区域の設定、解除は、「市町村単位など、県を分割した区域毎」に行う、②出荷制限の解除は、「1週間毎に検査」し、「3回連続で暫 定規制値を下 回った品目、区域」について行うことを決定、4月5日「魚介類中の放射性ヨウ素に関する暫定規制値の取扱いについて」(食安発0405第1 号。魚介類中の 放射性ヨウ素は、当分の間、「飲料水及び牛乳・乳製品以外の食品として暫定規制値が設定されている野菜類中の放射性ヨウ素と同一の暫定規制値 である 2000 Bq/kgを準用」、4月88日「水稲の作付制限」(「イネの作付けに関する考え方」(原子力災害対策本部。水田土壌から玄米への放射性セシウム(Cs) の 移行率10 %の指標。「玄米中の放射性セシウム濃度が食品衛生法上の暫定規制値(500 Bq以上は出荷制限) 以下となる土壌中の放射性セシウム濃度の上限値5000 Bq」を超える水田で作付け制限)などです。
(1)2011年3月17日の「暫定規制値」
 「飲食物摂取制限に関する指標について」(1998年3月6日、原子力安全委員会原子力発電所等周辺防災対策専門部会
環境ワーキンググループ)では、①放射性ヨウ素(混合核種の代表核種I-131)、②放射性セシウム(Cs-134、Cs-137)、③プル トニウム(Pu)及び超ウラン元素のアルファ核種の3種類について指標が示されています。
① 放射性ヨウ素:甲状腺等価線量として年間50 mSvを上限目標とし、飲料水、牛乳・乳製品、野菜類(根菜、芋類を除く)の3食品に50 mSvの2/3をあて、残り1/3は保留することにして、3食品の各々に50mSv×2/3の1/3ずつを割り当て、飲料水と牛乳・乳製品の摂取制限指標 は1kg当たり300 Bq、野菜類のそれは2000 Bqと定めています。
なお、これ以前の防災指針では、ヨウ素131は単一核種として扱われ、それぞれ1 kg当たり、飲料水100 Bq、牛乳・乳製品200 Bq、葉菜6000 Bqでした。
② 放射性セシウム:実効線量5 mSv/年を上限目標とし、かつストロンチウム90(Sr-90)/セシウム137(Cs-137)比が0.1の場合のストロンチウム90の寄与も含めて 5 mSvとし、飲料水、牛乳・乳製品、野菜類、穀類、肉・卵・魚その他の5食品に5 mSvの1/5ずつを割り当て、1 kg当たりの摂取制限指標は、飲料水、牛乳・乳製品では200 Bq、野菜類、穀類、肉・卵・魚その他では500 Bqと定めています。
なお、ストロンチ90/セシウム137比0.1を超える場合、及びその他の核種の複合汚染の場合は、これらの寄与を考慮して指標を低減して 運用するとしています。
③ プルトニウム及び超ウラン元素のアルファ核種:年当たり実効線量5 mSvを上限目標とし、アメリシウム(Am-241)、プルトニウム(Pu-238、Pu-239、Pu-240、Pu-242 )等のα核種の放射能濃度の合計に適用して、1kg当たりの摂取制限指標は、飲料水、牛乳・乳製品では1Bq、野菜類、穀類、肉・卵・魚その他では10 Bqと定めています。
  なお、調理された食事に供される乳児用市販食品には、1Bqを適用しています。

 2003年7月、原子力安全委員会は、1999年に茨城県東海村で起きたJCO臨界事故を受けて、1998年3月の上記「飲食物の摂取制 限に関す る指標について」の原形(放射性ヨウ素・放射性セシウム、プルトニウム及び超ウラン元素のアルファ核種の指標)に、ウラン(U)を加えた指標 を決定しまし た。すなわち、ウランについては、飲料水、牛乳・乳製品の摂取制限指標は1kg当たり20 Bq、野菜類(根菜、芋類を除く)、穀類、肉・卵・魚その他のそれは100 Bqと定めました。なお、放射性ヨウ素のみ、乳児用調製粉乳と乳の指標を300 Bqはなく100 Bqと低くしています(ただし、いずれも調理して供されるものに適用)。
 したがって、昨年3月17日の通達による「暫定規制値」は、2003年7月の原子力安全委員会決定「原子力施設等の防災について」の指標 値をその まま援用したもので、①放射性ヨウ素(混合核種の代表核種I-131)、②放射性セシウム(Cs-134、Cs-137)、③ウラン(U)、 ④プルトニウ ム及び超ウラン元素のアルファ核種の4種類について指標が示されています。なお、①放射性ヨウ素は、崩壊過程でベータ線を放出(ベータ崩壊) して放射性キ セノンとなり、続いてこれがガンマ線を放出(ガンマ崩壊)して安定なキセノンになり、②放射性セシウムは、ベータ崩壊して放射性バリウムにな り、続いてこ れがガンマ崩壊して安定なバリウムになるので、一連の崩壊過程でベータ線とガンマ線を放出します。③ウランは、長年月にわたる一連の崩壊系列 の過程で、 10回以上もアルファ崩壊またはベータ崩壊を繰り返しながら新たな放射性核種となり、最終的に安定な鉛になりますので、体内に取り込めば被曝 量は甚大で す。④も③に似て、一連の崩壊系列の過程でアルファ線崩壊やベータ崩壊を繰り返しますので内部被曝量は甚大になります。
(2)2012年4月1日からの「新規格基準」(新基準値)
 前提として、物理学的半減期の長い放射性セシウム(Cs-134、Cs-137)、ストロンチウム(Sr-90)、ルテニウム(Ru- 106)、 プルトニウム(Pu-238、Pu-239、Pu-240、Pu-241)の合計が年間1 mSv以下とすることとしています。しかし実際には、セシウム以外については検査に時間がかかるため、セシウムのみを対象とし、各核種の検出比(Cs- 137を1.0としたときの比)を固定的にPu-238:Sr-90:Ru-106:Cs-134:Cs-137 =0.000002:0.003:0.02:0.29:1.0であるとして、これらを含めて基準値を定めたことになっています。しかし、この割合がいつで もどこでも普遍的で正しいかという問題があります。また、米、牛肉や大豆など一部の加工食品については、今年(2012年)12月31日まで に製造・加 工・輸入された食品は賞味期限までは従来の暫定規制値がそのまま適用されるなどの問題もあります。
それはそれとして、放射性セシウムについての新基準値は、食品を4分類して1 kg当たり飲料水10 Bq、牛乳50 Bq、一般食品100 Bq、乳児用食品50 Bqと定められました。
(3)原発事故後は低レベル放射性廃棄物並みかそれ以上の汚染食品が流通し得る
 ここで示した1998年3月の「飲食物の摂取制限に関する指標について」や2003年の「原子力施設等の防災について」、さらに今年度か らの「新 基準値」をみると、さまざまな要因を考慮した計算に基づいて得られた値を指標値としており一見科学的な根拠があるように見えます。しかし、そ もそも原子炉 等規制法によれば、原発から通常排出される廃棄物のうちセシウム137が1kg当たり100 Bq以下のものは、低レベル放射性廃棄物として同法に基づき処理・保管されることになっています。
ですから、昨年3月17日から今年3月31日までは緊急時だからという理由で、低レベル放射性廃棄物の放射能汚染度を大幅に超える500 Bqを超えない野菜・穀類や肉・魚貝類等は食べても安全とし、4月1日からも一般食品は低レベル放射性廃棄物と同じ100 Bq以下なら安全としているわけです。さらに、一連の食品の規制値に関する歴史をひもとくと、後述のとおり、その欺瞞性が鮮明に見えてきます。

3.放射能汚染食品の「出荷制限」の法的根拠と公的な食品調査の実態
(1)放射能汚染食品の「出荷制限」の法的根拠
 「食品衛生法」には放射能汚染食品に対応する条項がまったくありません。原発の「安全神話」により、食品の放射能汚染については想定すら しなかっ たのでしょう。そこで、厚労省は、もしも規制値を超える放射能汚染食品が見つかった場合には、第6条の2「有毒な、若しくは有害な物質が含ま れ、若しくは 付着し、又はこれらの疑いがあるもの」に相当するものとして、出荷制限することにしました。
 食品添加物のリスク評価においては、「安全な混入量が実験動物に悪影響を示さない投与量÷100」 として安全基準が求められ、曲がりなりにも表面上はゼロリスクが基本です。しかし、放射性物質については、後述のとおりICRP(国際放射線防護委員会) の諸勧告が基礎となっているため、ある程度の人の死を大前提としており問題です。
(2)食品の放射能汚染の公的調査の杜撰な実態
 国の指示に従って地方自治体が行っている公的検査の実態についてみると、暫定規制値については、①放射性ヨウ素(混合核種の代表核種I- 131)、②放射性セシウム(Cs-134、Cs-137)、③ウラン(U)、④プルトニウム(Pu)及び超ウラン元素のアルファ核種の4種 類について指 標が示されていますが、実際には①放射性ヨウ素(I-131、I-134)と②放射性セシウム(Cs-134、Cs-137)由来のガンマ線 しか調べてい ません。ですから、内部被曝でもっとも問題となるアルファ線やベータ線は埒外に置かれています。しかも、調査件数があまりにも少なすぎます。 なお、学校給 食の食材調査では、全食材の一括調査などの方法に、保護者から疑問の声があがっています。
全国の調査実績:昨年3月17日から本年3月16日までの1年間にわたる食品調査実績は、山野草や淡水魚、海産物を含めた全 国の調査総数は126821件ですから、1日平均347.5件、都道府県単位でみれば1日平均10件にも及びません。
このうち、全都道府県のうち放射能汚染の深刻な総理指示対象自治体4県(福島・茨城・栃木・群馬)と、それらの隣接自治体等1都12県(青 森・岩 手・宮城・秋田・山形・新潟・長野・埼玉・千葉・東京・神奈川・静岡・山梨)の計1都16県中、青森、新潟、山梨以外の1都13県から、放射 性ヨウ素また は放射性セシウムの規制値を超えた食品が、110598件中1183件見つかり、出荷制限措置がとられました。
福島・茨城両県の調査実績:最も深刻な福島県でさえ一年間の調査総数は20672件で、700件が規制値を超えていました。 1日平均 では57件中2件が超過食品(たけのこ、露地・原木しいたけ、ほうれんそう、アブラナ科野菜、コモンカスぺ、アユ、アイナメ。原乳、牛肉、猪 肉など)とい うことです。二番目に深刻な茨城県では、一年間の調査総数は12430件で85件が規制値を超えていました。1日平均では34件の検査で4、 5日に1件の 割合で規制値を超えた食品が見つかるという状態です。福島県や茨城県でさえこのような状態ですから、ほとんどが無調査のまま出荷されているこ とになりま す。
水産物の調査実績:2011年10月7日現在の水産物の放射能汚染調査実績は、調査総数2579件で127件(福島県116 件、茨城 県7件、群馬県4件)が規制値を超えていました。内訳は、海産魚類1650件中66件が規制値越え(福島県59件、茨城県7件)、無脊椎動物 (イカ、タコ 類)389件中12件(福島県)、海藻類55件中8件(福島県)、加工品(魚介類)24件中0件、広域回遊性種(海産魚類中のカツオ、ビンナ ガ、イカ 等)23件中0件、淡水魚類(アユ、ヤマメ、ワカサギ、ウグイ、イワナ等)432件中41件(福島県37件、群馬県4件)、哺乳類(クジ ラ)29件中0件 でした。1日平均13件ですから、調査数があまりにも少なすぎます。
なお、海洋の汚染は、事故直後に表層生物(浮魚)で始まり、5月中旬に海藻類、下旬に底生生物(底魚。アイナメ等)に及びました。底生魚類 でも、ゴ カイやエビ、カニを食べるアイナメの汚染が、小魚を食べるヒラメよりも大きいという特徴があります。また、淡水魚は、海水生物よりも生物濃縮 がいちじるし いという特徴があります。河川流域の内水面は今後とも、山岳森林地帯に降り注いだ放射性降下物(人工放射性物質)の流入が漸増し続けるため、 厳重な注意が 欠かせません。
 主食の米の調査実績:2011年の作付制限は、土壌中の放射性セシウムの玄米への移行係数0.1を基に乾物土壌1kg当た り 5000 Bq以上の水田が対象でした。国の玄米調査法では、旧市町村ごとに1 ~5点の予備調査で200 Bqを超えれば概ね集落ごとに1件ずつ本調査し、暫定規制値500 Bq以下なら出荷できます。
福島県知事は、栽培可能な水田から収穫した玄米に規制値を超えるものがありませんでしたから、当初すべての県産米が出荷可能であることを高 らかに宣 言しました。しかし、調査されず不安に思った山間の農家の要請を受けた地元JAなどの自主調査で、山間などの水田から規制値を超える汚染玄米 が続出しまし た。国の定める調査点数がいちじるしく少なすぎたのです。福島県は、急遽、調査地点・農家数を大幅に増やして、「米の放射性物質緊急調査」を 進めました。 特定避難勧奨地点のある地域や玄米のモニタリング調査でわずかでも放射性セシウムが検出された地域については、出荷を当面見合わせることにし て、緊急に全 戸調査を実施したのです。
福島県は、緊急調査結果に基づき以下のことを決めました。100 Bq以下の地域の米については、出荷見合わせを解除する。100 Bq以上で500 Bq以下の地域の米については、特別隔離対策の対象となるよう国に要請し、引き続き出荷を見合わせる。出荷できる地域において諸般の事情で未調査となった 農家の玄米も調査するとともに、国の特別隔離対策を活用して100 Bqを超える県産米が一般に流通しないように努める。また、2012年産米からは全袋調査することにしました。
 なお、2012年2月28日、農水省は、今年の稲作について、昨年産米の出荷規制地域の作付制限と、玄米が100 Bq以上、500 Bq以下の地域の作付について、全袋調査などを条件に認めることを決めました。しかし、作付け可能な全汚染田の玄米の調査密度の飛躍的な濃密化までは言及 していません。玄米の放射能汚染が新規制値を超えたために出荷できない生産農家への十分な補償はもちろんですが、危険な汚染米が絶対に流通し ないように国 と県と東電はしっかりした対応・対策が不可欠です。
現状では主食のお米でさえ、国の定める調査基準は調査件数が圧倒的に少なく、ほとんどが無調査で出荷される状態です。
(3)新基準値に基づく食品の放射能汚染の公的調査結果の姑息な公表方法
2011年3月17日から始まった暫定規制値に基づく公的調査の結果は、3月19日から集約して厚労省のホームページに公表され、2012 年3月 30日までは全都道府県の日々の詳細な調査結果の多数の表と、それらを集約した積算値を鳥瞰できる1枚の表「食品中の放射性物質検査の結果に ついて(概 略)」が掲載されていました。ですから、上述の(2)食品の放射能汚染の公的調査の杜撰な実態の項では、全国の調査実績や福島・茨城両県の調 査実績を難な く紹介することが出来たのです。
2012年4月1日から始まった、新基準値に基づく公的な調査結果についても、4月6日までは従前どおりの掲載方法で、「食品中の放射性物 質検査の 結果について(平成24年4月1日以降検査実施分)(概略)」という表がありました。ところが、2日休んで4月9日からの公表では、この 「(概略)表」が 消えてしまいました。
4月6日の「(概略)表」をみると、福島県では、6日に農産物を78件調査して、8件(フキノトウ、タケノコ)が新基準値100 Bqを超えていました。水産物は前日までに44件調査して、15件(海水魚のアイナメ、シロメバル、ヒラメなど)が新基準値を超えていました。茨城県で は、6日まで農産物を27件調査して、7件(原木シイタケ、タケノコ)が規制値を超えていました。水産物では、6日に28件調査して、2件 (淡水魚のイワ ナ、ヤマメ)が規制値を超えていました。その他では、6日に4件調査して3件(乾シイタケ)が規制値を超えていました。
ですから、このホームページの作成担当官は、このまま従前どおりに「食品中の放射性物質検査の結果について(平成24年4月1日以降検査実 施分) (概略)」を編集していくと汚染食品の頻度が目立ちすぎると感じたのでしょうか。姑息にも、同表の掲載を止めてしまったのです。こんな所に も、放射能汚染 を軽微に見せたい政府の思惑が現れています。
姑息といえば、新基準値が適用された20日後、農水省は「食品中の放射性物質に係る自主検査への対応に関する通知」なるものを食品産業事業 者向けに 発出しました。政府は、一片の局長通知で、「全国の住民が自分たちの食べる農林水産物の安全性の自主検査をするな」と命令したのです。自主検 査をするな ら、国の基準値を指標にしなさい、という命令です。主権在民の日本国憲法をいただく我が国において、このような人権無視の横暴が許されて良い ものでしょう か。本来、何人も、各自の意思に従って、いかなるものを飲食しようが、麻薬及び向精神薬取締法や酒税法などに違反しない限り、政府からとやか く規制される いわれはありません。しかも、この新基準値の決定プロセスにおいても、パブリックコメント募集期間中に、新基準値を審議する放射線審議会の前 会長(東北大 学名誉教授)中村尚司氏および現会長の丹羽太貫氏が、複数の関係学会会長に厳しすぎるという「やらせ」意見書の提出を各学会会員に要請する文 書を出してい たことが判明しています。
そもそもは、昨年3月11日から顕在化した、政府の情報隠しの「大本営発表」体質と「御用学会・御用学者」等の「大政翼賛」体質のなせる業 です。野 田佳彦首相による2011年12月16日の「事故収束宣言」と「避難区域見直し」発表から6月16日の「大飯原発再稼働」の最終決定までの一 連の道理に背 く暴挙は、人びとの命と暮らしをまったく顧みず、基本的人権を踏みにじる現政府のこの間の国政の異常さを如実に示すものです。

(後半その1 終わり 後半その2に続く)


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by y_csm521 | 2012-08-17 00:33 | 食品汚染
海洋、湖沼、河川への放射能汚染の拡大や食品・がれきによる内部被曝の不安に対しては、政府は意図的サボタージュといえるほど無策のままで政争に 明け暮れていますが、「市民と科学者の内部被曝問題研究会」が緊急に「政府に対する、放射能汚染食品の摂取による内部被曝の回避に向けた七つの提 言」を公表していますので許可を得て2回に分けて紹介させていただきます。

「提言」では、内部被曝を回避するために、海洋、湖沼、河川を含む国土全体の汚染調査と食品の生産・流通のあらたなシステム構築が緊急に呼びかけ られてい ます。同時に、食品の「暫定規制値」、「新基準値」および「出荷制限の法的根拠」の発表経過とともに「食品調査の杜撰な実態」が告発されていま す。

とりわけ日本政府が依拠しているICRP勧告が、いかに核開発と原子力産業を最優先に画策して人命を軽視する文言を「考案」してきたかが、時系列 で紹介されていますので注目していただきたいと思います。

●出典:市民と科学者の内部被曝問題研究会


======以下、(前半)全文転載=====

■政府に対する、放射能汚染食品の摂取による内部被曝の回避に向けた七つの提言
(市民と科学者の内部被曝問題研究会)
内閣総理大臣 野田佳彦殿
 私たち、「市民と科学者の内部被曝問題研究会」は、東京電力福島原子力発電所の事 故に伴う 放射線による被曝に対し、市民と科学者が一体となり、特に低線量による内部被曝を含む被曝問題に積極的に取り組み、子どもたちをはじめとする 全国の市民を 守って、被曝の影響を最小限にする研究を行って市民に提供し、また政府のパブリックコメントに応ずるなど多面的な活動を行っております。
つきましては添付させて戴きました「放射能汚染食品の摂取による内部被曝の回避に向けた七つの提言」をお読み下され、これらの提言をお取り上げいただきま すようお願い申し上げます。

放 射能汚染食品の摂取による内部被曝の回避に向けた七つの提言

2012年8月6日
市民と科学者の内部被曝問題研究会
理事長 澤田 昭二

<目 次>
はじめに 
◆政府に対する七つの提言 
(1)限りなくゼロベクレルを目指す 
(2)第一次産業従事者(生産者)と消費者に対する補償 
(3)第一次産業従事者の権利保障と放射能汚染のない食糧の大増産 
(4)四囲の海洋における放射能汚染調査の徹底と安全な海産物の安定供給 
(5)河川・湖沼水と沈殿物の放射能汚染調査の徹底と安全な飲料水の安定供給 
(6)高性能の放射能汚染迅速調査システムの開発・実用化 
(7)給食食材の安全確保ならびに全出荷食品の放射能汚染調査とベクレル表示 
◆提言の理由と背景 
1.呼吸による内部被曝と飲食による内部被曝 
(1)呼吸による内部被曝 
(2)飲食による内部被曝 
2.放射能汚染食品の「暫定規制値」と「新規格基準」(新基準値)
(1)2011年3月17日の「暫定規制値」 
(2)2012年4月1日からの「新規格基準」(新基準値)
(3)原発事故後は低レベル放射性廃棄物以上かそれ並の汚染食品が流通し得る 
3.放射能汚染食品の「出荷制限」の法的根拠と公的な食品調査の実態 
(1)放射能汚染食品の「出荷制限」の法的根拠 
(2)食品の放射能汚染の公的調査の杜撰な実態 
(3)新基準値に基づく食品の放射能汚染の公的調査結果の姑息な公表方法 
4.放射能汚染食品の規制値の歴史
(1)チェルノブイリ原発事故直後 
(2)ICRP 1990年勧告以後 
(3)海外の事例 
(4)ICRP(国際放射線防護委員会)の身勝手なご都合主義 


はじめに

 今回の東電福島第一原発(以後、福島原発)事故による放射線被曝が一般の人びとに及ぼす影響は、外部被曝と内部被曝に分けられます。しか し、全国 的にみれば、主として呼吸または飲食による内部被曝が問題です。内部被曝の影響を重視する程度を別にすれば、科学者・技術者の立ち位置の如何 にかかわら ず、内部被曝が問題であることは共通認識となっていると申し上げてよいでしょう。このような状況のなかで、私たち市民と科学者の内部被曝問題 研究会は、こ の内部被曝が生態系や人体に及ぼす影響を、ことのほか重視します。
 本年6月25日、東電発表の「原子炉建屋からの追加的放出量の評価結果」によれば、現在でも1~3号機から空中へのセシウム-134と セシウム-137の 合計放出量は少なくとも10,000,000Bq/h (ベクレル/時間)以上です。その他の放射性核種の放出量をはじめ、海水中や地中への放出量は一切明らかにされていませんが、看過できない量であることは 間違いありません。したがって、児童・生徒たちや妊産婦が緊急疎開することが望ましい福島県内の高汚染地帯や、関東のホットスポット地域など を除けば、放 射能汚染食品を摂取することによる内部被曝の回避が、現在の最重要課題であると考えられます。
 放射能汚染食品の出荷制限や摂取制限に関しては、昨年3月17日に急遽発表された国の「暫定規制値」や今年度(2012年4月1日)から 適用され た「新規格基準」(新基準値)があります。ところが、これらの値の拠り所はICRP(国際放射線防護委員会)の勧告であり、このICRP勧告 には人びとに 放射線被曝を一方的に強制するなど大きな問題があります。しかも、チェルノブイリ原発事故後における我が国の放射能汚染食品の輸入規制値に始 まる規制値の 歴史をひもとけば、そのときどきの規制値はさも科学的に算出されたような装いをしてはいますが、まったく一貫性が無く政治・経済的ご都合主義 で定められた ものであることが、すぐにわかります。放射能汚染食品の規制値は、人びとの命と暮らしを守るためではまったくないということです。それに加え て、公的な放 射能汚染調査の実態を見れば、ほとんどの農林水産物が無検査のまま市場に出回っていることがわかります。
したがって、現状のままでは放射能汚染食品の摂取による内部被曝を回避することは、市民団体の緻密な精力的活動を除けば、実際問題として不 可能です。
 ここでの重要課題は、政府の「事故収束宣言」による帰還運動とは裏腹で、人びとは放射能にひどく汚染された地域には住もことができ ず、 家畜・家禽等の飼育を含む農林水産業はできないということを大前提として、放射線感受性の高い子どもたちをはじめとする人びとの命と暮らしを 守ることを最 優先する政治です。そして食品の安全・安心の観点からは、放射性セシウム(本年3月までは放射性ヨウ素も対象)による放射線被曝リスクだけ を、もっぱら測 定しやすいガンマ(γ)線に頼って評価する政府の基本姿勢を改めることです。すなわち、アルファ(α)線を放出するプルトニウム238、同 239や、ベー タ(β)線を放出してイットリウム90になり、さらにベータ線を放出して安定したジルコニウムになるストロンチウム90などにも着目し、放射 性ヨウ素や放 射性セシウムが一連の崩壊過程で放出するベータ線にも着目することです。
そこで当市民と科学者による内部被曝研究会は、放射能汚染食品の摂取による内部被曝の回避に向けて、第一次産業生産者の生活 と生産活動の補償ならびに自然・農林生態系の保全を大前提とする緊急対策を構築するために、日本政府に対して七つの提言を申し 入れます。

◆政府に対する七つの提言
長期にわたる内部被曝の人体に及ぼす影響については、ECRR(欧州放射線リスク委員会)の2003年の勧告と2010年の勧告および、 ユーリ・ I・バンダジェフスキー(2009)、アレクセイ・V・ヤブロコフら(2009)、IPPNW(核戦争防止国際医師会議ドイツ支部) (2011)などが多 数の事例を紹介しています。これらの事例を紐解けば、ICRPや日本政府、政府に近い学者等の主張とは 大きく異なり、かなりの 低線量の内部 被曝でも多様な疾病の原因になることが明らかです。したがって、とくに妊婦の体内で成長中の胎児や生後間もない乳幼児、児童・生徒、生殖可能 な青年男女な どは、呼吸ならびに飲食による放射性物質の体内取り込みを可能な限り回避することが強く望まれます。
 ここにおいて、人びとが放射能汚染されていない食品を摂取できるように、中央政府も地方政府も、家畜・家禽や山野草を含むあらゆる農林水 産物について、限りなく放射能汚染のない食品の生産・流通を進める政策が不可欠です。
 なお、1960年代から自民党政権が進めた、従属的な日米安保体制と加工輸出貿易立国を謳う自由化・開放経済体制によって、もっとも衰退 したのが 第一次産業であり、なかでも自給的農業を伴う林業の衰退は大きく、中山間地域や離島を中心に過疎化・高齢化が急速に進み、集落としての社会・ 共同体機能が 失われ、やがて消滅に向かう「限界集落」や「超限界集落」が増え続けています。また、農業と水産業の軽視政策は、農村と漁村の衰退と休耕地・ 耕作放棄地の 増大ならびに食糧自給率の顕著な低下をもたらしました。
したがって、東日本大震災と原発事故という自然災害と人災によって壊滅的な被害を蒙った第一次産業の担い手たちを救済しつつ、自然・農林生 態系の保 全と食糧生産力の向上を図るためには、地域の枠を超えた集団移住・集団疎開を住民の意思に沿って総合的に推進することを保障する国家的政策が 不可欠です。 この事業が成功すれば、生活の場を奪われた人びとの新たな生活が保障され、かつ環境保全と安全な食糧生産も保障されます。
そこで、私たち市民と科学者の内部被曝問題研究会は、政府に対して以下の七つの提言を緊急に申し入れます。
(1)限りなくゼロベクレルを目指す:ECRR 2010年勧告に倣い、一般人の年間被曝限度を0.1mSv(ミリシーベル ト)以下、核施設作業労働者の年間被曝限度を2 mSvとすることを提案します。さらに、ドイツ放射線防護協会(Gesellschaft für
Strahlenschutz e.V.)の推奨レベルよりも厳しい放射性セシウムの1kg当たりの規制値として、当面、乳児~青少年は1Bq以下、成人は4Bq以下を提言します。
(2)第一次産業従事者(生産者)と消費者に対する補償:上記(1)の提案内容を保障するためには、規制値を超える汚染産品 を市場に出さないことが不可欠であり、その大前提として、東電と政府には第一次産業従事者(生産者)と消費者の生活と健康を守る義務がありま す。そこで、早急にそのための法整備を行うことを提言します。
(3)第一次産業従事者の権利保障と放射能汚染のない食糧の大増産:故郷への帰還の展望がみられない高汚染地域の第一次産業 生産者に は、非汚染地域または汚染のきわめて軽微な過疎地域の限界集落・超限界集落などへの集団移住または集団疎開によって生産活動を続ける権利を保 障し、遊休農 地、限界漁港背後集落等の積極的な利活用を図り、自然・農林生態系の保全と安全・安心の食糧大増産の担い手となってもらうことを提言します。
(4)四囲の海洋における放射能汚染調査の徹底と安全な海産物の安定供給:福島第一原発から放出されて太平洋に集積する放射 性物質 は、汚染水の意図的・非意図的な放流と空からの放射性降下物の他に、山岳森林地帯から河川を下り河口からの放射性流入物があり、この問題は早 晩、日本海に も及びます。したがって、日本海をふくむ四囲の海域のきめ細かな放射能汚染調査の継続・徹底と公表を進めるとともに、すべての漁港・市場に放 射線計測器を 設置し汚染海産物が流通しない体制の構築を提言します。
(5)河川・湖沼水と沈殿物の放射能汚染調査の徹底と安全な飲料水の安定供給:特に東北・関東甲信越地方の背骨に位置する山 岳森林地 帯は、福島原発事故によって大量の放射性降下物が蓄積し、種々の放射性物質の貯蔵庫として機能しながら河川を通じて流域から海に向けて放射性 物質を拡散し 続けています。したがって、安全な飲料水を安定供給するために、流域河川・湖沼水と沈殿物のきめ細かな放射能汚染調査の継続・徹底と公表なら びに除染対策 を進めるとともに、淡水産汚染食品が流通しない体制の構築を提言します。
(6)高性能の放射能汚染迅速調査システムの開発・実用化:本来は、公的機関による無料調査が原則ですから、そのために不可 欠なベル トコンベアー式検知器(例えば最新のGBO検知器では30 kgの米袋を10秒間で1 kg当たり25Bqまで計測可能)など、調査システムの精度と速度をいっそう大幅に向上させるための開発・実用化研究の緊急実施ならびに、全出荷食品のき め細かな調査体制の構築を提言します。
(7)給食食材の安全確保ならびに全出荷食品の放射能汚染調査とベクレル表示:子どもなど被曝弱者には安全な食品の供給が特 に重要なので、全保育園、幼稚園、学校等の給食食材の安全確保のため、産地選定ときめ細かな高精度の放射能測定の義務化を提言するとともに、 市販食品に放射能のベクレル表示の制度化を提言します。同時に、市民団体または個人等で実施されている放射能汚染調査をいっそ う広めるとともに、これに要する経費を東電と政府が支弁することの制度化を提言します。

(以上、(前半)転載終わり)
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by y_csm521 | 2012-08-17 00:26 | 食品汚染