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COSMOSの原発関連ニュースメモ

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毎日たくさん流れてくる原発関係のニュースの個人的なメモです。

■政府に対する、放射能汚染食品の摂取による内部被曝の回避に向けた七つの提言(後半その2)


■政府に対する、放射能汚染食品の摂取による内部被曝の回避に向けた七つの提言(後半その2)

4.放射能汚染食品の規制値の歴史
(1)チェルノブイリ原発事故直後
 1986年4月のチェルノブイリ原発事故当時、一般人の年間の線量当量限度は5mSv/年(ICRP 1977年勧告に基づく)でした。厚生省は、旧ソ連圏や欧州からの放射能汚染食品の輸入を規制するため、一般人の線量当量限度5 mSv/年、汚染輸入食品の割合、国民の食品摂取量、食品による被曝割合等による推計値を求め、さらに米国やEC(欧州共同体)の規制値を参考にして、輸 入規制値を定めました。すなわち、全食品の放射性セシウム(セシウム134とセシウム137の合計)について、1kg(またはlittle) 当たり370 Bq以上で輸入禁止としました。
(2)ICRP 1990年勧告以後
1990年、ICRPが一般人の年間の線量当量限度を5 mSv/年から1/5の1 mSv/年(年間がん死リスクは10万人に1人)に下げる勧告を出しました。そこで1998年、政府はこのICRP勧告を受け、一般人の年間被曝許容限度 を1 mSv/年に下げました。しかし、ヨウ素やセシウムの輸入規制値を1/5に下げることはしませんでした。そして2011年3月17日の通達にみる野菜や穀 物のセシウムの暫定規制値は1kg当たり500 Bqでした。
(3)海外の事例
ちなみに、ウクライナでは、一般人の年間被曝許容限度は同じく1mSv/年ですが、放射性セシウムの暫定規制値は、1kgまたは 1little当た り飲料水2 Bq 、牛乳100 Bq 、野菜40 Bq、肉類200 Bqとなっています。また、ドイツの放射線防護令は、一般人の年間被曝許容限度を0.3 mSv/年としています。ドイツ放射線防護協会は、この限度を基準にして、放射性セシウム汚染食品の摂取制限として、乳児~青少年は1kg当たり4 Bq以上、成人は8 Bq以上の食品を摂取しないように推奨しています。この推奨値でも、人口8000万人のドイツでは毎年1200~12000人の癌死の増加が予測されてい ます。この予測値を人口1.278億人の日本に当てはめれば、癌死の増加はこの1.6倍です。
(4)ICRP(国際放射線防護委員会)の身勝手なご都合主義
 ICRPは、1928年のICR(国際放射線医学会議)総会で発足したIXRPC(国際X線およびラジウム防護委員会)を1950年に改 称して発 足し、現在に及んでいます。そこで、現在までの主要な勧告を見てみましょう。年代が進むごとに、米国を頂点とする国際的な「核開発利益共同 体」の身勝手な ご都合主意が台頭し、彼らの意のままに勧告が成案化される様が、赤裸々に見て取れます。ICRPは、その名称とはまったく裏腹に、核施設作業 従事者や一般 人の放射線防護を二の次にして、彼らの意のままに安上りの核開発を進めるための道具でしかありません。
 1950年勧告:ICRPと改称後、初の勧告であり、核施設従事者にのみ、150 mSv/年(3 mSv/週)の許容線量を設定しました。一般人向けの具体的な許容線量は示さず、「被曝を可能な最低レベルまで引き下げるあらゆる努力を払うべき」(to the lowest possible level)という文言だけに留まりました。言葉だけといえ厳しい表現になった背景には、遺伝学者によるショウジョウバエの突然変異実験において「遺伝的 障害」が明らかになったことがあります。しかし、具体的な許容線量を明記することは、米国の抵抗によって叶わなかったのです。
 1954年勧告:年間許容線量は、核施設作業従事者 150 mSv/年、一般人 前者の10分の1(15mSv/年)であり、「実行可能な最低レベル」(the lowest practicable level)という一段下がった表現になりました。
 1958年勧告:年間許容線量は、核施設作業従事者
50 mSv/年、一般人 5 mSv/年で、「実行可能な限り低く」(as
low as practicable)と、さらに一段下がった表現になりました。
 1965年勧告:「社会・経済的要因を考慮の上、容易に達成できる低さ」 (that all doses be kept as low as is readily achievable, economic and
social consequences being taken into account )と、いよいよICRPの本性を露わにしたもので、「ALARA勧告」と称されます。一般人の5 mSv/年を「線量当量限度」と称することにしました。
 1973年勧告:「合理的に達成できる低さ」(as low as reasonably achievable)と本性を幾分見えにくくしましたが実態は変わらず、これも「ALARA勧告」と称されます。
 1977年勧告:新システムとして、三原則「正当化」「最適化」「線量限度」(justification,
optimisation = as low as reasonably achievable, application of dose limits)を導入しました。「正当化」とは、原発などの核開発には代替不可能な便益があるということです。「最適化」とは、1965年のALARA勧 告の「社会・経済的要因を考慮の上、容易に達成できる低さ」のことです。「線量限度」とは、人びとの被曝限度を定める際に「集団線量」概念を 導入し、「費 用」対「人命救済効果」分析を行い、放射線障害による人びとのある程度の死を前提とする安上りの費用で核開発を進めようとするものです。この 勧告では、核 施設作業従事者の年間被曝限度についても、「線量等量限度」と称することにしました。
1990年勧告:核施設作業従事者の従来からの線量当量限度50 mSv/年に、「あるいは100 mSv/5年」という付帯事項が付きました。また、一般人の線量当量限度5 mSv/年が1 mSv/年に下げられました。ただし、基本的な線量計測量である人体の吸収線量に関する同勧告の定義は、「各組織・臓器内の平均線量を意味する」というこ とで平均化してしまうなど、同勧告には内部被曝を無視・隠蔽するためのさまざまな作為が感じられます。
本来、アルファ線やベータ線による内部被曝が微細なピンポイントで生じることを念頭に置けば、ICRP勧告の如き「内部被曝隠し」ではな く、 ECRR(欧州放射線リスク委員会)の2003年勧告や2010年勧告の如く、内部被曝を正当に評価する勧告になる筈です。結局、 IAEA(国際原子力機 関)もWHO(世界保健機構)も、米国と国際的な「原子力ムラ」のエゴに牛耳られ、その中心にICRPが鎮座していたのです。そして彼らは、 世界の放射線 科学全般を、政治・経済的観点を重視する内部被曝隠しの似非科学に仕上げ、世界中の市民に一方的な犠牲を強いる体系を構築していたのです。
ですから、このようなICRPの勧告に依拠する食品の放射能汚染の「基準値」が、私たち住民の味方である筈はありません。

 私たち市民と科学者の内部被曝問題研究会が政府に対して七つの提言をした理由と背景は、以上のとおりです。
以上
(以上、転載すべて終了)



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by y_csm521 | 2012-08-17 00:35 | 食品汚染